私は過去に保険会社のサポートデスクで働いていた事があり、当時私の所属していたチームのリーダーは、とても怖い人と周りで噂される程でした。
私も部下として非常に気を遣って行動しており、叱られた日にはご飯が喉を通らない位落ち込んだ経験もあります。
しかし、根っから悪い人ではなく、仕事にとても熱心な人だということは理解していたので、その上司のことは怖いけれど決して嫌いではありませんでした。
上司の下に配属されてから約3カ月が経過した頃、部署の皆で飲み会をすることになり、折角の機会なので出席してみることにしました。
確か、副リーダーが選んだイタリアンのお店だったと記憶しています。
料理がとても美味しくて、お酒も進み、メンバー同士で様々な話をして楽しく過ごしました。
そんな時、私の隣の席にいたメンバーがトイレに立ち、空いた席に上司がやって来ました。
上司はすごくお酒が強いらしく、沢山飲んでいるのにも関わらずあまり酔っていない様子でした。
上司は私に「部署が変わってから環境に慣れたか?」等といった事を聞いてきたので、私は「皆が親切にしてくれて助かっています。いつも皆に助けてもらってばかりです。」と伝えたところ、いつも恐れていた上司から、意外な一言が。
「あなたは、部署内で最も仕事に前向きで、率先して問合せに対応しようとしているから本当に助かっているよ。お陰で他のメンバーのやる気もアップしたみたいだからね。」 まさか、そんな事を言われるとは思っていなかったので非常に驚きましたし、それと同時に、飛び上がるくらい嬉しい気持ちになりました。
その後、上司とは私がWeb業界に転職するまで5年間の付き合いがあり、以前のように恐れてばかりではなく、ちょっとした冗談を言えるくらいの関係になりました。
今でもこの出来事は、良い思い出として心に残っています。