私が印刷会社に勤務していた時、とても厳しい上司がいました。
新人だった私はいつも怒られていて、泣いてしまった時もあったんです。
飲み会にも参加しない人だったので、忘年会なんて参加するはずないって思っていました。
ですが、その年の忘年会に上司は参加したんです。
私は、なんとも気が重かったです。
もしかして、酔っぱらって説教でもされるんじゃないかって、勝手に想像していたんです。
ところが、酔っぱらった上司はとても朗らかで、日頃の厳しさが嘘のようでした。
私のこともすごく誉めてくれて、そのあまりの変わりように驚きました。
「いつも頑張ってるなぁ。俺は、ちゃんと見てるからなぁ」 まるで、青春ドラマのワンシーンのように上司は泣き出しました。
いつも、そういう風に優しくしてくれればいいのにと思いながら、私は嬉しくなりました。
私の頑張りを、ちゃんと見ててくれていたんだということが、よくわかりました。
それから、上司に厳しく言われてもめげなくなりました。