僕が新年会の中で一番印象に残っているエピソードは、いつも冷静で厳しい課長が急に泣き出したことです。
それは僕が新入社員としての初めての新年会だったのですが、始まってから二時間くらいしてから課長が泣きました。
最初は課長はお酒が入ると泣く人で、周りの人たちはみんなこの光景に慣れているのかなと思いきや、他の社員さんや上司もみんな驚いた表情をしています。
支店長が思わず課長に声をかけると、「俺たちの会社がここまで復活したのがうれしいんですよぉ!」とさけんでまた泣き出しました。
実は僕の入った会社はかつて倒産しそうになった危機があって、課長はその危機を乗り越えるためのプロジェクトにおいてかなり重要な役割を担っていたということを後から知りました。
支店長も「そうだね、あのときは大変だったよね……」としみじみしているような、課長に引いているような微妙な感じの反応をしていました。
今でも新年会の旅に思い出す印象的なエピソードです。