忘年会にて酔った憧れの彼女の行動に戸惑う私~桜BARお酒の席のお話~

20年ほど前に会社勤めをしていたときの出来事です。

当時の私は特に優秀というわけでもなく、かといってミスをしたり不真面目というわけでもない平凡な会社員でした。

件の憧れの彼女は4つ下で、容姿端麗で海外留学の経験から英語を流暢に扱い、仕事ができる社員でした。

そんな彼女は多くの男性社員の憧れの的であり、私もその一人でした。

その出来事が起きたのはある年の忘年会のことでした。

私は普段から酒が苦手で、大人数の飲み会は後半になると決まって一人で余った料理を黙々と食べるというお酒の場では浮いた存在でした。

その日も会が始まって1時間半を経過したころには「今日も酔っ払いたちを家まで送るのか」なんて考えながらいつものポツン状態になっていました。

そんなとき彼女がお酒の入ったグラスを片手にとなりに座ってきました。

仕事中は一切隙を見せたことは無くこれまでの飲み会でも酔った姿を見せたことの無い彼女はその日は珍しくかなり酔っていました。

暫く他愛も無い会話をした後、唐突に彼女は 「(私の苗字)さんってわたしのこと好きなんでしょ?」 突然なことだったのと正直、彼女は私には高嶺の花だったこともあり私は 「えっ、あ、あの・・・」 と曖昧返事しかできませんでした。

すると隣に座っていた彼女が私の背中の上に乗ってきて 「はっきりしなさいよ」 と言ってきました。

その言葉に私は 「(彼女の苗字)さん、酔いすぎですよ」 その言葉を聞いて彼女は 「つまんないの」 と言い、少し退屈そうにまた盛り上がっている輪の方へ戻っていきました。

年が明けて新年初めの出勤のときに顔を合わせた彼女はいつもどおりでした。

あの時自分の気持ちに正直な行動を取っていたらどうなっていたか今でもときどき考えます。

そして、あの時背中に乗ってきた彼女の胸の感触はいまだに思い出すことがあります。

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