若かりし日の思い出 バイト先のアル中店長の記憶~桜BARお酒の席のお話~

私が20代の頃のバイト先の店長は、酒を飲むのが大好きで、平素からアルコール中毒のごとく酒を飲んでいました。

年末の忘年会と称して、店長(中年男性)とバイト3名(全員男子)で飲み会を開くことになりました。

私は、飲み会のスタート段階では楽しく飲み食いしていましたが、バイト先の古株で店長を良く知る人物は、何かを恐れるようにおとなしく目立たぬように過ごしていました。

酒をガブガブ飲んでいた店長がトイレに行った時の事、古株さんが私に向かって「○○君、店長は飲ませるのが好きだから、気を付けた方がいいよ」と、謎のアドバイスをしてくれました。

それを聞いた私は「は~い」と空返事をしつつも、「飲み代を出す店長が酒を進めても不思議はないよな」などと思っていましたが、程なくして古株さんの言葉の意味が理解できました。

酒量が増えるにつれて目が座ってくる店長。

最初は「飲んでるか~」などと軽い口調で言っていた店長は、「飲んでねーな」「お前、飲めよ!」と態度もオラオラ系に変わってきました。

令和の世では完全にアウトなアルハラ状態ですが、当時のバイト達は店長に言われるがままに必死に酒を消費していきました。

後から聞いた話ですが、この店長は他人が酔いつぶれたり、嘔吐する姿を見るのが大好きなんだということでした。

店長が2回目のトイレに行った隙に、バイト達は残った水炊きの鍋に店長以外は飲まなくなった日本酒を投入したり、少量ずつ床に酒を垂らしてみたりするなど、涙ぐましい努力で既に旨くもなくなった酒を消費していきました。

バイトの一人が「服にしみこませてみるか」と、酩酊した頭をフル回転させて珍回答を絞りだしましたが、「うわ、臭いがキツイ」といって辛そうになり、とうとう水炊きの鍋の中に嘔吐してしまいました。

折もよく、丁度トイレから戻ってきた店長が、バイトの一人がマーライオン状態になっているのを目撃して、腹がちぎれるほど笑い出し、満足したのか「よ~し、お開きにするか」と言ってくれました。

「職場の酒は旨くないな」と思い知らされた若かりし日の思い出です。

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