マスター曰く「あちらのお客様から、リクエストが届いています」~桜BARお酒の席のお話~

自分は歌うのが好きで、中学・高校時代からギターを弾き始めて、 音楽の授業の発表会や、学園祭等でもちょくちょく人前で歌っていました。

社会人になってからは仕事が忙しくなり、趣味のギターは弾く機会が少なくなってしまいましたが、 会社の仲間と一緒に、飲み会の後によくカラオケでは歌っていました。

その日も仕事仲間との打ち上げで、食事会の後にいきつけのスナックに行き、いつもの通り歌って盛り上がっていました。

自分達のグループの他に、一人で静かにカウンターで飲んでいる女性のお客さんがいました。

しばらくして店のマスターから自分が呼ばれた為、騒がしすぎて女性のお客さんからクレームがきたかと思いドキッとしましたが、 「あちらのお客様からです」と飲み物を渡され、曲をリクエストされました。

声が綺麗なので、是非歌ってもらいたい曲があるとの事です。

知っている曲なので、もちろんリクエストに応えて歌いました。

「上手いね」とか「すごいね」とか言われた事はあっても、自分の歌で飲み物を貰ったのは初めてだったので、 凄く嬉しかった記憶があります。

50歳を過ぎて趣味のギターも復活して、弾き語りをしていますが、 後にも先にも歌で報酬を得たのはこの時だけでした。

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