それは私が大学在学中、21歳くらいのときのことでした。
もともと体質的にお酒に強くなく、すぐに顔が赤くなったり、陽気になったりするので、あまりお酒を飲んだことはありませんでした。
ところがある日、ゼミの仲間と居酒屋へ行くことになりました。
普段の私はいたって真面目で、どちらかというと堅物な人間でした。
あまり冗談が通じないな、ノリが悪いな、というのが周囲からの印象だったように思います。
その飲み会では、初めのうちはお酒なしで、軽く食事をしたり、血液型の話などで盛り上がっていたのですが、他のゼミ生たちがチューハイ等を注文し出しました。
メニューを見てみると、乳酸菌飲料やフルーツ味など、美味しそうなチューハイが。
私も今日くらいはいいかな、と思い注文してみました。
飲んでみると思っていたより軽く飲めて、段々自分の悪いクセが出てきてしまいました。
顔が真っ赤になるのはもちろん、言うことも調子よく、普段では考えられないくらい冗舌になっていったのです。
その結果、いつもなら絶対にしないであろう、恋愛の話や失敗談をペラペラと喋ってしまい、周囲は面白がって聞いてくれていましたが、翌日の登校時は我に返りとても恥ずかしくなったものです。
翌日からはまたいつものお堅い自分に戻るわけで、取り消せるものなら取り消したい、お酒の場での失敗でした。